諸葛亮と答えるのはちょっと憚られる、のと同様に、
好きな作家はと訊かれて夏目漱石と答えるのは
何だか遠慮してしまうNIJOであります。
しかし自宅の本棚を見れば、
『俳人漱石』(岩波新書)やら『21世紀の日本人へ 夏目漱石』(晶文社)、
TV番組録画用のHDDにまだ残っている、
「歴史秘話ヒストリア 漱石先生と妻と猫」(NHK、2015)とか
「夏目漱石の妻」(同、2016)とか……。
小説の著作そのものは無いのに、なぜか関連資料が多い。
仕事上の必要もないのに、不思議なものです。
そうなると、当然読んでおくべき一冊が、これ。
偶然ですが、漱石の命日(12月9日)に読み終わりました。
📖夏目鏡子・述/松岡譲・筆録『漱石の思い出』(文春文庫)
読書家ならずともその名を知らぬ者は無い、
日本文学史上の大スター・夏目漱石。
生前からヒット作を飛ばしまくり、
芥川龍之介や菊池寛などの有名どころを門下から輩出、
ついには千円札に肖像を描かれた文豪が
実は家族にとってかなりの困り者だったことは、
知る人ぞ知る事実。
神経衰弱の発症時にはほとんどDV夫、
しかしそんな彼を生涯愛し続けた妻・鏡子が
微に入り細を穿って語り明かす、
超人気作家の

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ラベル:エッセイ